04-10-03_23-23.jpg昔、アルバイトをしていた頃、確かまだ大学生だったかもしれない。同僚に雨が降ると「傘がないので休みます」と、ちゃんと連絡して休む奴がいた。つぎはぎだらけの汚いジーパンを履き、風呂には年に数回しか入らないと豪語していた。確かに、多少臭かった。それなのに女の子と同棲しているらしかった。その彼女も風呂に入らないのかどうか聞きたくて仕方なかったが、何となく聞きそびれてしまった。というか、彼にはそんな俗っぽい事は聞けないような、得も言われぬ神々しさがあった。
そうそう、僕らは彼の事を「クサレジーパン」と呼んでいた。そう呼ぶと、彼は照れたような笑顔を見せた。あの時限りの付き合いで、もう名前も覚えていない。元気で暮らしているのだろうか。まだ風呂嫌いは続いているのだろうか。